注文をいただいてから2週間程度を要する受注生産方式のアイウエア「経年侵化」をお買い上げいただきましたよ。「デザイン88」の作品です。

一見すると奇抜。しかし作りはホンモノ。眼鏡産地で経験を積み腕を磨いてきたメガネデザイナーによるアバンギャルドなアイウエアです。

先日お買い上げいただいたフレーム2本をご紹介しますね。ハンドクラフトなので同じデザインを希望される場合は2週間程度お待ちいただくことになります。
■DEVIL’S HAND「鉄の腕が秘密の一片を奪い合う」

カラー:黒二式と白錆
ウデ色:サンカ
(一本一本バーナーで焼き色加工をしています。左右で模様が異なります。)

フロントカラーを着色後にエイジング加工で劣化しています。劣化した塗料は経年による外的営力で削り落ちてユーザーの歴史を刻み込む色へと変化する。ユーザーが時とともに完成させるアイウエアです。
■ZIGUZAGU「失敗と成功の価値は」

カラー:炭素(材質色)
ウデ色:アイス
(氷をイメージした軽い粒上の艶消し加工です。)

石の彫刻に使う石材から工具で荒々しく削り出した力強い跡。その製作途中には完成した彫刻には見ることが出来ない造形に魅了され生まれたコレクションです。
デザイン88のデザイナー、杉本さんのインタビューが7年前の「めがね新聞」に掲載されていました。「
ぼくたちは鯖江の土になった世代」だとおっしゃる杉本さんです。引用しますね。
「鯖江のめがね作りを育てるための「土」です。次の世代が種をまいてくれて、その次の世代が水を、そして今、少しずつ花が開きはじめた。もちろんぼくも土だけで終わる気はありません。自分なりの花を咲かせるつもりです。」
「経年侵化」は、杉本さんが咲かせた花ではないでしょうか。製品には「地獄」がキーワードとして登場しますが、その意味が理解できるほどの修業を極めて今に至ります。この点は「オニメガネ」さんの「オニ」にも共通する「執念」を感じます。
参考記事 メガネ新聞
https://megane-shinbun.com/interview/design88_interview/